カイ日乗 2023/6

2023/6/1(木)

八文字屋らしい八文字屋。現役のNHKの森下、京都新聞、読売新聞の木須井さん&西田大智さん、元読売テレビの大西さん。Kim Sunghaさん、三上さんらで創造的議論が交わされた。最後には熊野寮にずっと住んでいた宋斗会さんは何者かという話になる。
Kim Sunghaさん、熊野寮出身のNHKの森下さん、やはり、元熊野寮生の吉永周平記者さん。Lo laさんに会って欲しかった。またの機会。
Kimさんはろくでなしへ。
iPadを八文字屋に忘れる。
どうやら入院前というのに、風邪をひいたようだ。微熱。

2023/6/2(金)

S、英恵さんにパソコン教えに行く。
昼ご飯。刺身2パックで¥1000と安い!出町「さが喜」。これプラスバナナ2本。
京大文書館主催の1969年の京大の記録展@時計台百年記念館。野村修さん、池田浩士さん、高橋和巳さん、山田稔さん、作田啓一さん、飯沼二郎さん、山田慶兒さん、出口勇蔵さんらの名前もあり、「反大学」の講師に富岡多恵子さんらもありました。

2023/6/3(土)

ベ平連の打ち合わせ。「入院祝い」に岡村正史さん&井上章一さん、福井さんグループ。
Kim Sunghaさんが関谷滋さんと会食ご来八して関谷さんら編著「隣に脱走兵がいた時代」(思想の科学)を戴き、サインして貰う。
上岡龍太郎が亡くなった話題頻り。
ぼくはこの文化圏外人。

2023/6/4(日)

恵文社の大谷能生さんのトークショー。
ラーメン横綱(一乗寺)。
古川勝也さんの10人グループ。
温ちゃん7時~10時。
変な天気の狭間?の6月4日も八文字屋には初めての団体(京都産業大学美術部。年長者は72歳。リーダーは20年前に郭徳俊さんに連れられて来店の山科の古川勝也)さん、イヴァンさん、古井由吉の「この道」を病院で読んでみて!という英恵さん、恵文社のワカさん、琢ちゃん、珍しく森岡誠さん、浅利ちゃん、片山さん、東京からの闖入者、「夕焼け酒場」の伊藤政三さん、琢ちゃんと入院を心配してくれる仲間たちと楽しく過ごす。
英恵さんの草木染めのやり方に、皆聴きいる。
6年ぶりにパリの写真家マリヤ(ロシア系フランス人)がやはり写真家マルコと来店。かっては京都市立芸大の留学生だった。明後日から東京、ソウルに行き23日に戻ってくると。マルコはたくさん写真集を買い、ぼくにブラッドスーンをプレゼントしてくれる。

恵文社の原口ワカさんは、大谷能生さんと待ち合わせていたが、大谷さんは電話がなく、迷い行き違ったようだ。

2023/6/5(月)

入院。

2023/6/6(火)

オルガからメール。

2023/6/7(水)

手術。

2023/6/8(木)

個室。

清水さんへのメール。
早速の祝いのメッセージありがとうございます。
病院は、手術の前に検査、検査で万全と言っても良い態勢で
手術に臨んでくれて、途中、辛気臭いなあ、というか、ズボラな
ぼくは、面倒臭い!てな思いもしましたが、看護師さん、お医者さんに
懇切丁寧な説明もいただき、終わってから良かったと思い返しています。
他の病院について何も知らないけど、素晴らしいスタッフだったと思います。
まだ、出て日常に戻るまで皆さんのアドバイスをちゃんと反芻して、八文字屋に
戻ってもスローペースを保ち、八文字屋を良い店にしたいと思います。
清水さん、様々な気遣い、ほんとうににありがとうございます。
高橋さんにも礼を言わなくっちゃと思っています。
ありがとうございます。

2023/6/9(金)

次男、海人彦の誕生日。29歳か!

2023/6/10(土)

2023/6/11(日)

2023/6/12(月)

宮脇さんからメール。

2023/6/13(火)

片山さん、見舞い金持参。
すっぽんのツバクロの開店祝いが6月25日午後6時か。
いしいしんじさんのコロちゃんが歌う。
行けるかな。

2023/6/14(水)

竹園さんからメール。

iPad充電出来ず、不眠。
息子から「京大病院本院の何棟の何階に入院?」と訊くので、積貞棟6階。部屋からの眺めは、これ!と送る。
アメリカから息子が見舞いに飛んで来て、吉田寮周辺を散歩。
僕の退院日も決まる。

2023/6/15(木)

樺美智子さんの命日。

2023/6/16(金)

Dear Olga-san
Operation went well without no metastasis.
Soon I’ll come back from hospital. Now I’m thinking of Making several collotype prints, and looking forward to meet you.

今日は草木染めの金井英恵さん、元オリンパスの尾田さんが見舞いにきてくれました。
皆さん、ご心配をおかけしてすみませんでした。
お陰様で明日、午前10時に京大病院を退院することになりました。
ありがとうございました。

山田稔「メリナの国で」「編集工房ノア」読了。
燻し銀だね。
毎回楽しみにしている津野海太郎さんの連載「もうじき死ぬ人」(ジブリ発行の『熱風』)、入院していたためやっと落掌。清水澄子さん、ありがとうございます。
ギャラリー・ヒルゲートより電話。
この夏の「折々の作家たち」展の搬入は、6月26日です。よろしく!と。
勿論、OK。

2023/6/17(土)

9時30分退院。
甲斐ブログ(カイ日乗)昨年12月より本年4月まで更新(アップ)しました。

八文字屋は、予想に反して「紫野会」の皆さん、建築家の大工大教授の郡もいた。プロ文研の皆さんが3次会でも利用してくれ、満席になり、予定より早く閉店しました。プロ文研の皆さんのプロ野球論、サッカー論は興味津々でした。
染色・織の世界をフィールドワークしているかってはフィリピンの研究者だったTetsu Itoさんが青森市美術館の帰りに顔を出してくれた。明日は誉田屋にお邪魔して明後日、再度来八予定。新田さんの若き仲間、丁度、一年前に来八した名古屋からカップルもゆっくりしてくれる。
入院直前に訳者・杉村昌昭さんからいただいたフランスの領域横断的哲学者エドガール・モランの「知識・無知・ミステリー」(法政大学出版局)をぼちぼち読み始めた。
出町の古本屋「北御所書房」の藤原要さんは上岡龍太郎の父と将棋友達で、弁護士の息子が漫才師になったとボヤいているのか、自慢しているのか判らんことをよう言いよったが、あんたら(ほんやら洞草創期のメンツ)も漫才師みたいなものか?とかなんとか言って藤原さんが来ていたのを思い出す。

2023/6/18(日)

韓国の出版社から日本の12ヶ所の喫茶店についての本を書くにあたって取材に来たチェミンジ(崔敏智)さん。ソウルから離れた田舎で育ち、離郷後、故郷・統営は「芸術都市」となり出版社「ナメエボムナル《南海の春の日》」が誕生し、感激した。早速、連絡を取り今は同社の仕事をしている
尺八奏者 寄田真見乃さんと同席して彼女が帰った後に彼女の「古典 鶴の巣籠」の演奏をYouTubeで聴いて感動したK-keiが俺も頑張らねば、言って帰る段。寄田真見乃さんは、今年、京都府文化賞新人賞を受賞した。

イギリスの大学でウガンダ研究を続けている28歳の女性を、スケボーのマーク(ハワイ出身)が同伴。愉快なひと時を過ごした。

2023/6/19(月)

今朝の引っぺがし作業、ちょっとせっかちにやりすぎたかな。
今日も嬉しい出会いから始まる。
コンビニで李良枝の「ことばの杖」(新泉社)を広げてコーヒーを飲んでいると焼失前のほんやら洞に度々来店していたパレスチナの国際政治学者のイヤス・サランさんに遭遇。2年前からオタワの大学で教鞭を取っており、今回の京都はショート・ステイという。数年前に鴨川のほとりで家族写真を撮ったのがあり、出てきたら送る約束をする。
出来るだけ街歩きをしよう。
90年代から2001年まではほぼ毎週か隔週で京都新聞紙上でフォト&エッセイを連載していたので、実によく街中や郊外をほっつき歩いていた。99年にほんやら洞をカムバックしたり、2001年あたりから海外写真展に出かけたりで、京都の町を歩く頻度が減った。
今、八文字屋の若き常連たちはおおよそその頃生まれた。
ということは、京都で生まれた彼らが成長する過程に見た風景を僕は知らないことになる。これじゃ、話にならない。
僕の年は行ったが、これから、数年は、今生まれた子どもたちが見ていく風景を自覚的に見て行きたい。
週に1,2回、30分でも。退院後、そんなことを考えている。
千葉雅也「現代思想入門」(講談社現代新書)、「新潮」「群像」購入。
久しぶりに1・5時間繁華街を歩く。ちょいと、錦小路覗き。この20年ほとんど行ってなかったけど、魚屋さんも観光客を捕まえようと、やや浮き足だっている。昼飲みという店があるのを初目撃。

僕もこんなことは言いたくないがウチの兄貴は本当にアホだと思う。ずっと脈拍120くらいでヨチヨチ歩きしか出来ず、自分の世話すら出来ず、姉の世話になっているのにもかかわらず、病院にも行かず、その事を嫁にも子どもにも知人にも言えず、見栄をはって自分が全て自分の面倒をみているとか、取り巻き(そんな人たちがいるのかどうかしらない)がやって来たとホラを吹いている内に倒れた。肺がイカレたようだ。姉がやって来たのを嫁も息子も知らないから、彼らは姉に礼の一言も言わないようだ。今度も一番病身の姉が、これまた、面倒を見なければならないハメに陥っている。兄の取り巻きさん、もしそんな方がいるなら、兄を病人として扱ってくた!病院から2度目の一時帰宅した嫁も嫁で自分の癌のステージすら知らず、客を呼んでは、準宴会を開き、はしゃいでは喜んでいる。兄も兄嫁も宴会だけが好きなようだ。それも兄が嫁の病状を全く把握してなく、告げてないからだ。
これじゃ、兄も姉も共倒れじゃないか。
彼女は僕のFacebookをこっそり読んで、僕が兄に対して批判的言辞を弄している所だけを兄に伝えているらしいというので、僕が悪者になり、こういう形で書くしかない。
続報では、財布も通帳も取り上げられ兄が1番怯え、指図のままに従うしかなかったひとり息子ーー若くして脳梗塞を患い片腕が不自由な障害者ーーが兄のダウンと時をおなじうして、コロナに罹患して身動き取れなくなった。
歩けず手も動かないほど重症なのに、兄のダウン後、病院に付き添い面倒をみてきた姉に電話をするが、電話にも出たくないのか、掛けても直ぐ切る。
危機的状況。このひと月半、兄の所に泊まって酒を一緒に飲んで来た「取り巻き」の方は、このことを知っているのだろうか。
この機に、姉、兄、兄嫁の身の上に何かが起こるのを恐れる。
こんな場で書くべき内容ではないと顔を顰めているムキがあるのを承知の上で書く。
限りなく最悪に近いこの回路しかない。これを読むこともある大分在住で兄を良い人と認識している方、居れば宜しく。入院段階では、兄は少なくともひと月は大分医大に入院することになっている。肺がイカれている。

僕が入院中の八文字屋はお客さん同士が親密度を強めたようだ。
昨日、2時間弱近辺を歩き、心地よい疲労で椅子に沈んでいると、ニコニコ顔の「勉強家」ピアニストがやって来た。
電話で取り込み中だったので、7:15まで時間を潰して貰った。
彼が戻って来る頃、先日、静岡でヨシコちゃんに会っている最中と電話をくれたマンション経営者のKさんから「今、いるの?」と電話が入る。やがて登場してヨシコちゃんと過ごした時間を話してくれた。僕に会ったら、ヨシコちゃんへ僕から電話を入れさせるという約束だったで、電話をする?と言ってくれたが、気分が塞いでいたので、僕は今日は止すという。
そこに、今日は誉田屋さんとルパンの古本屋に行くと先々日宣言していたTETSU ITOさんが日立出身の染色家の妹尾さんを同伴。今日は「旅する布」のひろいのぶこさんに会って来たが、彼女、甲斐さんの姉さんを知っていると言っていたよ、と言うが、どっちの姉か不明。
ITOさんはこ28年の内の22年はフィリピンに住んでいたという、マ経営者は私、強盗に襲われないようにクルマの経路を変えるという三菱電気フィリピン社長の家に何度か泊めて貰い滞在したという話になり、聴いていると、ITOさんの家の直ぐ隣だった。
マ経営者は15年連続湯布院映画祭に通っており、そこで、才谷遼さんに会ったり、写真集「日本村」の写真家兼瓦マンの山田脩二さんに会ったという。
という話で、ピアニストとの話は途絶えていたか、ピアニストは僕の留守中に、NHKの森下さんとも片山さんともとても仲良くなり、片山さんは、月金に来るよ!と言っていたのて、氏の来店を心待ちにしていたが、彼は姿を現さなかった。ピアニストは「八文字屋には八文字屋時間というのがあるのね、4時まで、米沢さんとかも含め、わいわいやった。午前1時頃になると、一気に皆親しくなるのね」というので「これから、当分、僕は遅くまで付き合えないよ」と言い「留守番の浅利ちゃんには僕は朝までの分のバイト代を払わなくてならないのをお忘れなく!」と水を差してしまった(笑)。とにかく、その日はピアニストさんはとても楽しく、翌日、その快感を一気にピアノ曲にして翌々日、それを片山さん、浅利ちゃんに聴いて貰ったとのこと。
園部の運送屋さんが、快気祝いに友人2人同伴、大昔の美女写真集に出して貰ったという女性が友人と来店したが、どの写真集か判らなかった。手元にない「美女365日」だろうか?
トルコからニューヨークに移住した若者はグーグルを見て来店。「田辺元、西田幾多郎の後継哲学者は誰か?」という質問からITOさんとデリダ、ガタリ、ラカン等について話込む。2,3日後、バリ、ジャカルタへ発つと言って、ビール代の釣りは要らないと言って帰ったものだから、次に帰る鈴木真澄先生もそれに倣うしかなかった。
最後の客は魚谷繁礼さんらの知人の建築家&姉小路通御幸町西入ルのレコードショップ「プロトタイプ」のオーナーが来て、鈴木先生とひとしきり思い出のプロ野球や大谷君について喋って帰る。もう3人が覗いたが、外国人カップルが入りたからず、帰って行った。
メッセンジャーでは、韓国の統営の出版社の件、Shinhyeさんは知っているだろうか?という話になる。

2023/6/20(火)

神林さんより、メール。

ギャラリー・ヒルゲートに搬入に行く。人見さんの孫が直ぐ回復したが、コロナに罹ったという。人見さん自身も、足の指を骨折で元赤軍の上野勝輝の連れ合いの鍼灸師の中野マリコ?さんに針を打って貰ったりしているという。
9月の司修個展のことを聞こうと思っていたが、聞きそびれた。
今日ものんびりしたかったが、昨日は6:30で、今日は8時の三上さんが来店。
原田学さんが直ぐに一輪のひまわりを持って、登場。
10時30分頃に水を抱えた片山さんが来る。
後ろには昔、僕から美女写真集用の写真を撮って貰ったか、あれはどこにいったのかしらという女性が友人連れで来ているが、当方は全く覚えなし。
鈴木真澄さん、琢ちゃん、と続く。

2023/6/21(水)

安藤礼二の「空海」(7月号)を読む。あれこれ考えさせてくれる。
加藤典洋の講義を受けた若者の書き物も面白かった。
やはり、姉はダウンして夕方まで後藤医院で点滴していた。ミニちゃんは医大病院に入院しろと言うが、そう簡単に入院させてくれない。
少し良くなり掛けていた腕は倒れた兄を起こすのでまた、痛めてしまった。

17センチ直腸を切ったせいで、肛門の直ぐ近くにウンチが来ていると感じるようになった。
水曜日で浅利ちゃん9時からバイト。
日本語を勉強して来たと言うメルボルンの21歳の芸大生たちがグーグルを見て迷わず来店。ポストカードを買って行く。この2,3月前から、ひょっとしたら、日本の客より、彼女らのようなグーグル客が多いかも。
フランスのサルトル・ボーヴォワールの著作を出していることで、僕らの世代では有名なガリマール(日本で言えば岩波?)社の京都本(ミニガイド)に八文字屋と怪爺の写真が掲載されているとかで、読者が急増。
木戸衛一さんが「オシムの言葉」というような本を出している木村さんというジャーナリスト同伴。
ミカエルのパートナーがインドのマンガロールから来た仏教徒ラジャン(王という意味)さん夫妻と友人を同伴。64歳の彼がバンガロールにおいでよ、写真展やろうよ、と言ってくれる。あと一度行きたいと思っていたので、万障繰り合わせて行ってみたい。もう一度行けたら、あらためて「インド写真集」を出したい。マンガロールは、バンガロールから車で8時間掛かる山中で虎は居ないが、子どもと犬を襲って食う豹が多く生息しているらしい。道から逸れた象も度々出没する。ラジャンさんの家は11世紀まで遡れる。彼に嫁いで12年になる奥さんは、マンガロールに居ると、人間は自然の一部と感じれて素晴らしいと言う。

2023/6/22(木)

37年ぶりに元同志社大学生の永田浩子さんが顔を出してくれた。
そう言えば、この鴨川の写真は、一度だけ、浩ちゃんと鴨川を三条から出町まで散歩した時のものだ。そして、それ以降、彼女には会ってなかった。
作家・松宮宏さんはデビュー作小説「こいわらい」の原点は僕との出会いと神戸NHKの方に話したら、松宮宏さんインタビュー番組「リブラブ神戸」(神戸限定)に僕の写真を拙写真集「久保京子 1・2・散歩」(神戸ワールド)から一点採用し、1~2秒画面に出るかもと連絡がある。6月26日PM6:30~です。
20~30分ロックン広場のデカルコマリィさんを見に行って来ます!
勘違いの巻・往還。
今日は坊主覚悟していると、稲山さんが来てくださり、彼が帰る段にデカルコマリィさん、田中さんの一行、同時に冨樫ちゃんが来る。田中さん&冨樫ちゃんは2人ともチェリー持参。

2023/6/23(金)

久しぶりに10キロ歩いたかな。
手術後の今の感じでは、大腸・直腸にはほとんど残糞がない筈なのに、肛門の直ぐ近くで糞が押し出されるのをスタンバイしている、という奇妙な精神?状態。これがいつまで続くか。

2023/6/24(土)

自分の病気の上にいろんな大変なものを抱え込んでいる姉と、朝夕2回に分けて30分ケータイで話すことにしているが、これが、30分から1時間になって来た。 
シンドイのだろう。
加藤典洋さんの大変な仕事。
加藤典洋さんが亡くなる2ヶ月前に2週間で書き上げたという、今の20歳前後の人たちに東大闘争というのはどういうものだったのか、噛んで含んで、諭すよな文体で書いている。
これ、京大生協ルネに平積みしたら、結構、売れるのでは(笑)。
渾身のエネルギーを振り絞って平たく加藤典洋さんの「青春」を描いている。
映画帰りの黒田さん、「なんや!?女は居ないのか」と言いながら入店する森岡誠さん、「客は居ないと思って来た」と言う福井さん、京教出身の学校教師(ひとりはカウンターの真ん中に陣取り、妙に癇にさわるキーの高い大声で蜿蜿と捲し立てる女性)そして冨樫ちゃん以外は、ベルギーの劇作家(サミュエル・ベケット等を扱う)を同伴した(別役実の作品等の翻訳家)のコディさんを筆頭にヴィクトリアさんの友人絡みの団体、粘菌を扱うアーチスト(元ヴィラ九条山レジデント)のフランスの友人たち等々、全て外国からのお客さんのオン・パレードだった。
コディさんは、僕がFBで触れた帯に「東大はクソだ! 不世出の文芸評論家が歴史に刻んだ青春記」とある本、加藤典洋の「オレの東大物語ーー1966~1972」(集英社)が面白そうだから読むと言い、「カイさん、ロシアで反乱が起こったのをご存知ですか?」とも言う。10:30の八文字屋。元八文字屋バイト(現チューリッヒ工科大助教)のヴィクトリア(レバノン出身)の友人のサマール(レバノン出身・アメリカ在住)の友人たち。
11:45にはお客はきれた。

退院から一週間。
体重は1キロだけ落とせた。

2023/6/25(日)

イヤスに賀茂大橋辺りで上から写真を撮られていた。
途上で、道江ちゃんと京教で同じだった女性のカップルに三条珉珉前で声を掛けられる。
木屋町通は静寂そのもの。
9歳の娘さんを連れて神谷さんが来店。7月末に2人でパリに行くのに、お薦めの場所はないか、という。
そんなこと言われてもねぇ。
サッちゃんは、ロダン美術館が良いのじゃない?言う。
奈良井さん、片山さん、K-kei、福井さんと来て、1時過ぎに閉店。

2023/6/26(月)

作家の秦恒平さんから次なる宿題「湖(うみ)の本 164」(少女 或る折臂翁 為而不恃《私語の刻》)を戴く。
シルヴァンさん自身もいまや大変立派なトマソン研究者になっている!
やっと加藤典洋のそれこそレイトワーク「オレの東大物語 1966~1972」(集英社)を読了。また、読み直して考えてみたい。加藤さんの友人でもある瀬尾育生さんの解説をランダムにコピー。加藤さんの若き友人の長瀬海さんが「僕と『先生』」(『群像』7月号から連載)を開始。次号は9月号とのこと。
アッケラカンと2週間で書けると踏み、実際かくだが、闘争の当事者たる自分を描く内に深みに嵌り、書き終えた後、出版に時間を要したようだ。しかも、自分は直ぐに逝くと判っている。
そんな本だ。
この数日の姉は精神的にも肉体的にも実際相当傷めつけられたようで、眠れず痛みも激しく数度点滴を繰り返し、2,3日は睡眠薬と痛み止めの力を借りてやっと眠れたらしく、頭はせん妄状態を招いているのては?と心配。
自分が1番先に死ぬと思っていたのに、年齢も近い弟の肉体的に決定的なダメージを知り、彼とこの僕まで死ぬのではと心配で昨日は涙が溢れて仕方がなかったという。
僕はまだ1000%死なないと言っても昨夕は信用しなかった。
今日は少しは冷静になっているかな。肉体的にボロボロなので、せめて気持ちだけでもしっかりして欲しい。
今朝電話が入り、倒れた弟を抱えて起こす際に弟(僕の兄)からキツく引っ張れて腕の腱が抜けると思ったというその腕の痛みはますますひどくなっているというが、意識だけはしっかりしてきたので、ホッとした。脚もバンバンに腫れ、少し歩いたら転けたりしているが、俳句作りを済ませて、明日、リハビリ行きだ、という。

ひと月半、全く触ってない「青春」原稿は、年表、地図、プロローグの追加要請を受けたまま、入院(闘病)生活に入り、ぼちぼち仕上げに向かわねば、パリ展、映画作りに忙殺される。
そう思い始めた矢先、某英文文化誌のA編集長から「序章」(プロローグ)の英訳を自信を持って良いものするので、掲載させて欲しいとメールが入る。
嬉しい申し入れなので、勿論、OK。八文字屋の閉店時間を早めて、版元の要請にこたえるのが、7月の務めだ。頑張らなくっちゃ。
同じ版元から8月には、50年以上前にアイヌの集落で暮らした井上美奈子(茅辺かのう)さんの作品が黒川創の解説付きで上梓される。

今日の夕食は業務スーパー弁当。副食は小さいバナナ2本。締めて、¥200。
40数年出町・元田中で立ち話しかして来なかった(八文字屋にも来たことがあった)が、彼女の生活を取り上げる連続テレビ番組を受けもち、全国的にも知られ、文化情報誌等で大活躍だったイギリス王室を流れを汲むとか言っていたベネシアさんが亡くなったときく。
僕より若かったようだ。

野見山曉治さんが6月22日に亡くなられたとのこと。享年102歳か。
11月のパリ写真展にむけてコロタイププリントの準備を始める予定。今週末に何を何点プリントするかを決める。ついでに7月からは先行プリント販売キャンペーンとして予約購買者の募集を開始。
今日は眠気に任せよう。
17:00に小降りになった頃に移動しようと思って17:20に動ける。

8時30分のこと。レコードも鳴らず(針の傷み)、カウンター内には人が居ない。
多分、アメリカ人、4人が不思議な顔をして帰ってしまった。
まあ、良いか(笑)。
外国人客も逃げたので、坊主を覚悟していたら、精華大のアニメーターの伊藤さんが友人と来店する、直ぐに昨日、京大で依田髙典さんらの行動経済学の学会に出て、明日、ニューヨークに帰るというコリン・レイモンドさんとスラジンさん(インド出身・コーネル大学)の2人がGoogleを見て来店。それぞれ2冊の写真集を買ってくれた。コリンさんの奥さんは台湾出身でウェズリアン大学教授ということで、奥さんとやりとりしてウィリアム・ジョンストン教授、パトリック・ダウディ教授(『ブラック・パンサー党』の裁判の弁護士の息子の人類学者)の話題等で盛り上がる。
世上乱逆追討耳ニ満ツルト雖モ、之ヲ注セズ、紅旗征戎吾ガ事ニ非ラズ。(白氏文集)
姉、初めて、句作提出を休むという。
休んだ方が良い。
それだけ、深刻だ。

2023/6/27(火)

外国からの来客が増え、写真集、ポストカードの売れ行きが好調。それにサインを求められる事が多いので、甲骨文•金文をアレンジし、デザイン性の高い「甲斐扶佐義」の漢字を採用している。そのせいかな(笑・自画自賛)いしいしんじさんや中川五郎さんのような気の利いた絵を描けないからね。それに、面白い言葉を古い漢字で添える。
例えば、「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」(藤原定家《元は白氏文集》)。
もっと楽しく行こう。

カメラ不調。
デジカメを使いこなせない(笑)。
今日からギャラリー・ヒルゲートでは恒例の「心に響く小品展」。
怪爺は「股覗き」出展。
ヒルゲートで蒔田直子さんに会う。
「昨日まで山内陽子さんに会っていたんだよ」という。

2023/6/28(水)

来週、パリからギャラリストのオルガさんが11月の甲斐のパリ展の打ち合わせのためにやって来る。
近日中に東京都立中央図書館(南麻布)の注文でラインナップされることになった。

甲斐扶佐義は新しいホームページを作った。
まだ完成してないが、これからは、これを更新して行く。
一昨日、京大に学会(行動経済学)に来たコリン・レイモンドさんから35点の写真を送って来た。
彼の奥さんは、僕が22年前に招待個展を開いたコネチカット州のウェズリアン大の文化人類学の教授(台湾出身)。
ウィリアム・ジョンストンさんの同僚。厚かましく、嬉しがって沢山アップした(笑)。ロンドクレアントの梅棹マヤオさんも久しぶりに顔を出してくれてました。
浅利ちゃんバイト。
福井さん、小川さん、鈴木さん、建築家。

2023/6/29(木)

蒸す。
加藤典洋、岩波文庫(詩集)読了。素晴らしい。
真実さん&友人、稲山師のみ。

2023/6/30(金)

3:00帰宅。
8時帰宅
11:30に八文字屋。
珉珉でレーメン。ヒルゲート、ゼスト、ギャルリー宮脇、便利堂。
便利堂では、甲斐写真を一応見初めてくれて、全体が動くモトになった女性初のプリンターの白水絵耶子さんにも。営業の方にはドキュメンタリー映画でも便利堂を撮らせて!と言い、OKを貰う。
夕飯はSとサイゼリア。
ベ平連グループ7人来店。玉岩、キリスト、ハタ坊、山本恵、伊藤ジユン。
カードリーダー届く。
浅利ちゃん、バイトは9時から。
三上さんは早い時間から。田中康之さん、片山さん、四国中央市の鈴木さん、最近よく来る建築家、鈴木真澄さん、デカルコマリィ、琢ちゃん、ニューヨーク出身(ソウル在住)のアメリカ人「Googleで見た」と。琢ちゃんが撮った浅利写真が良いと、皆、褒めそやす。「浅利写真集を作れ!」と。
姉、何本も注射をうち少し楽になったという。
兄の状況は掴めず。